お通夜の数珠の使い方や持ち方は?忘れた時はどうしたらいい?
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お通夜やお葬式に持っていくものは、お香典と数珠ですね。
お香典は故人を偲び、お線香代にお使いください、という意味を込めてお供えする物です。
では、数珠はどうして持っていくものなのでしょうか?
扱い方や、忘れた時はどうしたらいいか、数珠にまつわるお話をしたいと思います。
この記事の目次
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1:そもそも数珠って?必要な物?
数珠は、穴が貫通している多くの珠に糸束を通して輪にした法具の事を言います。
別名念珠とも呼ばれ、仏様、菩薩様を礼拝し、念じる時に用いる物です。
念仏を唱える時に音を立てながら揉んだり、念仏の数を数えるのに珠を爪繰る目的などの用途で用いります。
但し浄土真宗では、念仏の回数は問題にしませんし、仏前の前ですと、崇敬の念の表れとして用いるので、手にひっかけて手を合わせるだけの用途に使っています。
数珠は宗派によって実は違う
この数珠も、実は宗派によって形や珠の数が違い、様々な種類があります。
仏教の考え方で、人には108の煩悩があると言われていて、珠ひとつひとつが、108の煩悩を司っている仏様と考えられていて、人のあらゆる煩悩を数珠が引き受けるという意味合いから、108個の珠で出来ています。
ただ、宗派によって作りも形状も違うので、あなたの宗派に合った数珠を持ってくださいね。
最近は、腕輪に出来る念珠もありますが、本来の用途に用いるには大きさ的に無理がありますので使わないようにしましょう。
実は異名として、「仏教徒のロザリオ」と呼ばれることがあります。
これは、キリスト教のカトリック派の方から見ると、ロザリオが数珠と同様の使い方をしていて、さらに外観も似ているからだそうです。
忘れちゃったら借りてもいい?
数珠は仏、菩薩の世界とあなたを繋ぐ懸け橋にとなると言われている法具です。
尚、使う人の念がこもった物で、分身の様な物ですから、人に貸したり借りたりはご法度です。
素手で礼拝したり、念ずることは、仏様、菩薩様を鷲掴みする事と同じ行為として見られる為、仏法作法として数珠は必要な物なのです。
2:数珠の使い方、持ち方は?忘れた時は?
使い方や持ち方、扱い方も宗派によって違います。
同じ仏教であっても、多くの寺院や教義が存在していて、その中にもそれぞれの宗派があります。
有名な所で、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗、臨済宗などです。挙げた宗派以外にもまだまだ多くの宗派があります。
宗派によって、数珠の種類も使い方も違いますので注意が必要です。
実は他にも略式数珠という物があり、特に宗派にこだわらないという意味での数珠になります。
これはどの宗派でも使える物ですが、あなたの宗派と違う場合等に用いられることが通例です。
数珠の使い方
使い方としては、左手にかけて、房は下に垂らし、右手を合せて礼拝します。合掌の時以外は、左手で持っておきましょう。
持ち運びの時には、数珠専用袋を用い、鞄の中で遊ばないようにしましょう。
また、お通夜の場合、突然の連絡で駆け付けたとしても、数珠があったら、普段の服でも失礼に当たらないのです。
忘れちゃったらどうする?
急な連絡で数珠を持っていない時に、コンビニで買う人を見かけたりしますが、普段から鞄に入れて持ち歩いておくことをお勧めします。
数珠は必ず持参しなければならない物ではない、という記述を良く見かけますが、何処の世界でも作法はあり、マナーはあります。
出来うる限りは、失礼の無いように作法やマナーは守りたいものです。
先述した理由から、忘れない方が本当は良いのですが、数珠が無いから故人の冥福を祈ってはならないという事はありませんので、無いままで礼拝しましょう。
そして、忘れたからといって、貸し借りもしないのがマナーです。
3:数珠を使う宗教は仏教だけ!
仏教でない方は数珠を持っていなくても不思議ではありませんよね。それを咎めたりするのはあまり良い行為とは言えません。
日本には宗教の自由が保障されていますし、例え数珠を持っていなくてもルール違反とかではないはずです。
その方が信じている宗教を重んじていても問題はありませんので、数珠を持っていないからと、咎めたりはしないようにしましょう。
だから仏式でないお通夜や、お葬式では数珠は無理に持っていかなくても良いようです。
数珠は仏教の仏具であり、いつも読経されているという方なら使う方もおられるかも知れませんが、参列者なら持っていなくても大丈夫です。
拝む時は数珠が必要という考えが一般的になって来ていますが、必要なのは故人を偲び、冥福を祈る、その思いが一番大事ということです。
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4:知っておくと便利!数珠は修理出来る!
意外な事に、数珠や念珠の糸が切れたら不吉な事が起こる!と思っている方がいらっしゃるようですが、それは迷信です。
仏教の教えの中でも、形あるものいつか滅びると説かれていますからね。数珠も壊れることもあります。
実際の所、僧侶の方が扱われる数珠は消耗が一般の方以上に早いのでよく切れるそうです。ですが、何か良からぬことが起きるというわけではありません。
それよりも、仏様、菩薩様が悪いものを断ち切ってくださったと考えましょう。
糸が切れてしまう前に、傷んだら修理を数珠・念珠修理に対応している仏具店に依頼するのが普通ですが、切れてしまってもその糸と珠を持って依頼すれば修理してもらえます。
糸を交換せずに、買い替える事ももちろん選択の一つです。
但し、処分をする場合はゴミで捨てるのではなく、仏具店やお寺さんに頼んで処分してもらいましょう。
また、年明けのとんど焼きで処分する方法もあるようです。
まとめ
いかがでしたか?
数珠についての事柄を知ってみると、数珠の意味合いは結構深いですね。
神様仏様菩薩様と全てを大事に思ってきた私たち日本人であるからこそ、仏道の思い入れが数珠の在り方なのかもしれませんね。
(ライター 綾樰 柚葉)
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